- 脱着・分解
- Ｆフォーク固定できるバイスを持っていないので、車両に装着した状態で、センターボルトを少し緩めておく。このとき１４ｍｍの６角レンチが必要だが、めったに使わないものなので、対面１４ｍｍの高ナットで代用する。
- Ｆフォークのアッパー固定ボルトを緩めて、フォークボルトを緩めておく。
- オイル交換同様の手順でＦフォークオイルを抜く。
- センターボルトの取り外しが最大の難関だった。以前ＢＡＪＡでやったときは途中でギブアップしたが・・・
・まずフォークを逆さまにして押さえつけテンションをかけて緩めたが、あるていどまで行くと空回り。
・次にタイダウンベルトを掛け強い圧縮をかけて緩めたが、これもあるていどまで行くと空回り。センターボルトにはネジロックを塗布してあるので、これが噛むのかもしれない。BAJAの場合、この時点でエアインパクトを使用しても外れなかった（これはちょっとしたコツがあって、引っ張るほうにテンションをかけるといいらしい） - 仕方なく他の方から聞いていた代用工具を作ることにする。ピストンロッドが入る内径のパイプの先に対面２７ｍｍのナットが付いている工具を作ればよいわけである。
・ホームセンターには２７ｍｍのナットがなかったので塩ビパイプを使用する。
・暖めて柔らかくした塩ビパイプを２７ｍｍ・12面のメガネレンチ(しか手持ちの工具がなかった)に突っ込み6面をヤスリですり落として作った。しかし、これはどうしても精度が悪く、上記の空回り状態からはずす程度の作業には使えるが、トルクはかけられず締め込みには使えなかった。
・作り直してみたが結果は同じ。２７ｍｍの６面ソケットのコマなら精度が出るが、そんなものを買うくらいなら苦労はしない。
・結局「型」として現物を使うことで解決した。
フォークのスプリングををはずし一番縮めた状態にし、カートリッジシリンダの６角凹部に暖めて柔らかくなった塩ビパイプを突っ込む。ちょっと心配したが何事もなく、なんとか締め付けのトルクにも耐えられるものができた。 - 分解すると、ゴミや粒子状の残留物が少し出てきた。このフォークは４ヶ月くらい前にオイル交換したばかりであるが、オイル交換だけではこういったゴミは取りきれないのであろう。
- 組み立て・注油
- ノーマルのスプリングは長短２本で構成されているがレーサー用は１本で長さが長短２本分と同じになっている。センターボルトは、ノーマルのものは調整不可だが、レーサー用は圧側の調整ができる。いずれも、ノーマルのものと単純に置き換えできる。
フォークスプリング。上がME08、下がノーマル。写真では違って見えるが長さは同じ。
センターボルト。右がME08、左がノーマル。 - オイルシールは専用の打ち込みドライバを持っていないので、取り外したシールをあてがい塩ビパイプで打ち込んだ。
- オイルは、サービスマニュアルの指定量を入れる。しかし、これでは既定の油面まであがらない。
スプリングの体積の違いか？（写真で見るとおりややバネの間隔が広いようだ）。(と書いていたが、よく考えると油面測定時にはスプリングは入れていないのであった・・・。ここの管理人がやっていることは、所詮こんな程度だから、読者の方は信用しないように）。んで、とりあえずこのまま組みつけてみた。 - 結果
- 柔らか目が好きなので、フォークのアジャスタを一番柔らかめにして走ってみた。平地ではそうでもなかったが、ギャップでは凄く振られ３つ目のこぶではついにあらぬほうへ飛んでいき転倒(悲)。びっくりした。固いほうに締めこんでいくとだんだん安定してきて、以前の状態よりはっきりと良くなった。
- 油面が規定値まで達していなかったのが気になり、オイルを追加して規定値(108mm)までもどした。
- さらに圧側も調整を加えたところ、いままでフロントがしっかりしなくて怖かったところもだいぶ安定してきて安心して走れるようになった。
ある程度走っている車両では（上記車両は約26,000km）、オイル交換だけではなかなか取りきれないようなゴミも溜まっているようだ。この車両のフォークはもともとノーマルの状態よりかなり劣化していたようにも思う（BAJAとの比較で明らかに劣っていた）ので、あるいは今回の整備で単にまともな状態に近づいただけかもしれない。しかし、センターボルトとスプリングで１万３千円位なので、これらの清掃やシールの打ち換え時などについでにやってみるのも悪くないと思う。
